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地図と著作権

著作権法の規定 著作権法第10条1項6号

第十条  この法律にいう著作物を例示すると、おおむね次のとおりである。
六  地図又は学術的な性質を有する図面、図表、模型その他の図形の著作物


著作権法の地図は、地形を図形によって表現し、かつ諸種の記号をその図形内に記入したもので、美術的要素を意味しているわけでは必ずしもなく、学術的要素を備えているかどうかで判断されます(加戸守行「著作権法逐条講義」122頁参照)。地図は素材の取捨選択や配列、表記方法等の点に創作性があれば、著作物として保護されます。もっとも、地図はもともと表現の選択の幅が狭いため、著作物として保護されるとしても、一般に著作権の保護範囲は狭いと考えられます(島並良ほか「著作権法入門」46頁以下参照)。
この点、特に住宅地図については、取捨選択の幅がかなり狭く、その結果表現の選択の幅が狭くなり、その結果として創作性が否定されるものもあろうし、著作物性が認められても保護の範囲が狭く認定されることも多い、と指摘されています(中山信弘「著作権法」82頁参照)。

判例

富山市住宅地図事件(富山地判昭和53.9.22)
「一般に,地図は,地球上の現象を所定の記号によって,客観的に表現するものにすぎないものであって,個性的表現の余地が少く,文学,音楽,造形美術上の著作に比して,著作権による保護を受ける範囲が狭いのが通例ではあるが,各種素材の取捨選択,配列及びその表示の方法に関しては,地図作成者の個性,学識,経験等が重要な役割を果たすものであるから,なおそこに創作性の表出があるものということができる。」 「いわゆる住宅地図は,特定市町村の街路及び家屋を主たる掲載対象とし,線引き,枠取りというような略図的手法を用いて,街路に沿って各種建築物,家屋の位置関係を表示し,名称,居住者名,地番等を記入したものであるが,その著作物性及び侵害判断の基準については,基本的には先に地図一般について述べたところと同様である。ただ,住宅地図においては,その性格上掲載対象物の取捨選択は自から定まっており,この点に創作性の認められる余地は極めて少いといえるし,また,一般に実用性,機能性が重視される反面として,そこに用いられる略図的技法が限定されてくるという特徴がある。従って,住宅地図の著作物性は,地図一般に比し,更に制限されたものであると解される。」

住宅地図入り電話帳事件(岡山地判平成3.8.27)
「一般に,住宅地図は,学術的な地図のように,山,河川及び海岸線などの地形の形態,鉄道,道路及び都市の存在等を一定の縮尺でもって文字及び記号で平面上に正確に表示することを主眠とするものではなく,利用者に対して,建物の位置関係,名称及び居住者名に関する情報を伝達する目的で,実際の地理を忠実に再現することは簡略化し,建物の位置関係の目印となるような道路,河川などを略図的方法で表現し,これに建物を枠取りの方法で記載して,地名,建物の名称及び居住者名を書き入れたものである。したがって,住宅地図は,素材となる建物の位置関係,名称及び居住者名を調査した結果に基づき,これらを適宜に選択,配列し,図面上に正確かつ簡明に表現した点に主に創作性を認めることができ,著作物として著作権の目的となるものと解するのが相当である。右1に認定した事実関係によれば,昭和54年版の住宅地図部分は,一般的な住宅地図と同様の過程及び方法で作成されたものであって,右に述べた理由で著作物性を認めることができるものである。」

新撰組史跡ガイドブック著作権侵害事件(東京地判平成13.1.23)
「一般に、地図は、地形や土地の利用状況等を所定の記号等を用いて客観的に表現するものであって、個性的表現の余地が少なく、文学、音楽、造形美術上の著作に比して創作性を認め得る余地が少ないのが通例である。それでも、記載すべき情報の取捨選択及びその表示の方法に関しては、地図作成者の個性、学識、経験、現地調査の程度等が重要な役割を果たし得るものであるから、なおそこに創作性が表われ得るものということができる。そして、地図の著作物性は、右記載すべき情報の取捨選択及びその表示の方法を総合して、判断すべきものである。」

測量法の改正

平成19年の測量法の改正で国土地理院作成の地図の複製について、その承認を要する範囲が測量又は刊行もしくはネット利用に限定されました。
今まではもっぱら営利目的の複製については国土地理院は不承認としていました(旧29条)。改正により国土地理院制作の地図なら承認不要で図書館でも全面複写が可能、自治体提出申請書の添付地図としての利用も可能となり、地図利用の利便性が広がりました。

測量法改正部分の概要PDF http://www.gsi.go.jp/common/000011978.pdf

なお、行政書士としては、地図の著作権については最大限尊重し、官公署届出の添付地図については、所属単位会の地図取扱い指針(ゼンリンなどの票紙貼付)に従う必要があります。