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ソフトウェア開発契約と著作権

ソフトウェア開発契約と著作権

ソフトウェア開発の受発注では、著作権についていえば、「金を払ったほうに著作権がある」という感覚(ユーザー、発注者側)と「制作した方に著作権が帰属する」という著作権法の前提(ベンダー、受託者側)との乖離があって問題が大きくなる場面です。
もっとも、著作権といった知的財産権の帰属の他に、そもそもソフトウェア開発では、その契約書の取り交わし自体に難しい問題があります。最終形が見えないという特殊性から見積もりや一括契約が難しいという部分があります。こうした点を踏まえ、経産省は、モデル契約書を公表(2007年)、第一版に続き追補版(2008年)を公表しています。追補版によってシステム基本契約書+個別契約書(重要事項説明書)という組合せで利用することが出来て、ベンダー側のみならずユーザー側も確認しておかなければならないリスクを明確に認識するきっかけとなります。
ただ、モデル契約書も最大公約数的なひな型ですので、規模の小さい開発案件の場合は、それなりの取捨選択、規定の調製が必要です。

参考判例

最近のソフトウェア開発案件に係わる判例としては、以下のような事例があります。

(1)レース編み機ソフト著作権侵害事件
東京地裁平成18.12.13平成17(ワ)12938不正競争行為差止等請求事件
*コメント:レース編み機用ソフトの開発を担当したソフト開発会社元従業員が退職後個人で第三者に同様のソフトを開発・譲渡したことから、契約違反、不正競争行為(営業秘密の使用)、著作権侵害性などが争われた事案です。

(2)振動制御ソフト開発委託契約事件
知財高裁平成18.8.31平成17(ネ)10070著作権侵害差止等請求控訴事件
*コメント:工業製品を輸送する際の振動を制御するための機器のソフトウエアプログラム開発業務委託契約を巡ってプログラムの著作権の帰属や翻案権の移転の有無が争われた事案です。

(3)ソフト「さきがけ」事件
福岡地裁平成18.3.29平成14(ワ)3783損害賠償等請求事件
*コメント:新聞販売店向け顧客管理ソフトの開発委託契約を巡ってプログラムの著作物性や著作権の帰属などが争われた事案です。

参考文献

(財)ソフトウェア情報センター編「ソフトウェア契約関連判例に関する調査研究報告書 平成18年度版」(2007)
(財)ソフトウェア情報センター編「ソフトウェア契約関連判例に関する調査研究報告書 平成19年度版」(2008)