研修会、セミナー資料の著作権

研修会、セミナー資料の著作権

セミナー講師を外部から招聘した場合、主催者は研修内容はむろん、配布された資料の著作権をどのように取扱うか、事前に講師との業務委託契約書に落とし込んでおきます。
発注先企業の要望によっては、著作権譲渡、資料の使い回し、イントラネットでの利用など様々かと思います。そうした要望に対応できるような権利処理を講師との間でしておく必要があります。
さらに、講習会、研修会の内容を録音、録画してDVD販売したり、ネット配信をお考えの場合は、著作物の二次使用としてその範囲も事前に取り決めておく必要があります。

社員が職務上作成したセミナー資料については、通常でしたら法人著作(職務著作)として会社に著作権が原始的に帰属するか、社員の明示または黙示の合意のもと、会社が自由に資料を使い回せることになると思います。
ただ、これら社員が退社して競業するようなセミナーや研修会を主宰したりする場合、ノウハウや営業秘密の持ち出しなど不正競争防止法上の問題も生じます。
社内の取決めとして、就業規則や秘密保持契約書などに職務上作成された著作物の取り扱いについて、一項目を明記しておく必要があるかもしれません。

(事例1)ネットワーク研修教材事件
CCNA技術者認定資格試験対策のためのネットワーク研修教本を元従業員らが無断で複製したことについて、元請け会社のみなし侵害行為性が争われた事案です。

東京地裁平成20.4.18平成18(ワ)26738損害賠償等請求事件
(関連事件)
東京地裁平成20.6.25平成19(ワ)33577販売差止等請求事件
(事例2)営業ノウハウ書籍事件
セミナー開催会社元従業員による、ビジネス・営業ノウハウ本の複製権・翻案権侵害性が争われた事案です。

知財高裁平成20.2.12平成19(ネ)10079著作権侵害差止等請求控訴事件
東京地裁平成19.8.30平成18(ワ)5752著作権侵害差止等請求事件
(事例3)メンタリングトレーニング職務著作事件
メンターによる指導方法(メンタリングトレーニングプログラム)のテキストの著作物性や不正競争防止法上の営業秘密性が争点となった事案です。

知財高裁平成19.12.28平成18年(ネ)10049控訴事件
東京地裁平成18.4.27平成15年(ワ)12130不正競争行為差止等請求事件
(事例4)講習会資料職務著作事件
職務命令で社外講習会の講師として講習資料を作成した場合の資料の職務著作物性(著作権法15条)などが争われた事案です。

知財高裁平成18.10.19平成18(ネ)10027損害賠償等請求控訴事件
東京地裁平成18.2.27平成17(ワ)1720 著作権 民事訴訟事件
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駒沢公園行政書士事務所

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