今の時代だからこそのエージェントの必要性

今の時代だからこそのエージェントの必要性

みなさまこんにちは、メルマガ配信を担当しております行政書士大塚大です。今回の投稿記事はわたくしの担当ということで、知的資産経営からは少し離れますが、わたくしの専門である著作権契約に関して日頃感じていることを少し書かせて頂けたらと思います。

個人でなんでもできる時代

コンテンツのライセンス処理業務という仕事柄、写真や漫画、音楽のクリエーターさんとの接点が多いのですが、以前と違ってデジタル時代においては、企画・制作・流通・販売をクリエーターさん個人1人で行うことも可能となりました。例えば、漫画家さんであれば、以前であれば印刷出版での販売が出口なので、出版社はビジネスの上では不可欠のパートナーでした。

ところが、電子書籍やオンデマンド印刷といった市場や媒体の変化、技術の進歩によって、出版社を通さなくてもビジネスが成り立つ時代となりました。また、ビジネスパートナーが出版社からIT系企業に変わる、という取引先の変化も出てきています。こうした変化は、音楽分野でのクリエーターとレコード会社との関係でも言えることです。

こうして、(とりあえず)なんでも1人でできる環境が整ったわけですが、個人が1人でできることは時間的にいっても限られています。創作、営業、販売、法務、税務・・・すべてを効率よく回転させるには、どうしても他人の手が必要になります。その際、会社組織にするという選択もありますし、さらにその分野のプロの助言を得る、ということもあるかと思います。一見パラドックスのようにみえますが、個人でなんでもできる環境は、逆にその道のプロの助言が必要になってくる機会が増える、つまり、わたくしたちのような士業や支援者(コンサル)の需要が増えるということになります。出版社やレコード会社は、まさにクリエーターの、いわば、営業面でのエージェントとしての機能もあったわけですが、出版社やレコード会社のそうした機能は、自分自身で、あるいは外注の専門家(専門エージェント)で対応していく、そうした時代となったわけです。

エージェント業務もさまざま

クライアントから求められるエージェント業務・機能はさまざまです。経営コンサルの場合、大きな意味で商材マッチング、営業も担っているかと思います。ライセンス管理もエージェント業務の重要な仕事の1つです。わたくしの場合、メールに不慣れな顧問先の経営者のために文案を起案したりしますし、経営者の秘書のように電話で受け取った内容を経営企画資料などに書き起こすといった作業も行っており、契約書の作成もそうですが、書面を通じて法務的なコミュニケーションのお手伝いをする、エージェント=代理人というより、まさに「代書」(こう書くと嫌われるかたもおいでですが)ともいえる実態があります。

エージェントのこれから

さて、わたくしが監事を務めている社団に日本REPエージェンシー協会があります。

https://jraa.tokyo/

ハイファッション系の写真家、スタイリスト、ヘア、メイクといったクリエーターのエージェント(レップエージェント)が構成会員の団体で、わたくしはここでエージェントさんのお手伝いをしています。

協会との関わりの中で、レップエージェントの仕事の一端に触れるわけですが、エージェントの役割、必要性(需要)が今まで以上に高まっているのではないか、という印象を持ちます。

リーマンショック以降、経済はひどく悪化しましたが、今までの取引環境も大きく変わり、制作予算に余裕がなくなっています。また、広告制作の現場を知らない、いわば「素人」の広告代理店やクライアントの担当者との接点が増えて、エージェントとしても今までの常識が通じなくなってきたという現実があります。そうなると、事前の取り決めとして契約もいっそう重要となり、成果物の無断流用などに目を光らせるといった作業も増えていくことになります。

いっぽう、既存のエージェント業務では、新人クリエーターのニーズに応えきれていない、といった反省の弁をエージェントから聞く機会もあります。エージェントがどれだけクリエーターにとって必要な存在であるのかを示す努力を続けなければいけませんし、新しい媒体での展開、営業活動の充実も求められます。深刻な課題となっているマネージャーの育成についても、社内の労務管理としてしっかり取り組む必要があります。

わたくし自身の今後の取組み

クリエーターだけでなく、レップや広告代理店といったエージェントをサポートするエージェント、そうした立ち位置で、わたくしはこれからも仕事を続けていきたいと思っています。また、クライアントのさまざまなニーズに応えるためにも、専門分野の知識はむろん、クライアントの強みを引き出す知的資産経営への理解をさらに深めていきたいと思っています。

特定非営利活動法人知的資産経営たから メールマガジン原稿(2017年7月27日記)

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